鼻咽腔シェーマ
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鼻咽腔が閉じきらないとき、大きく分けて3種類にわかれます。
- 軟口蓋の動きが悪くて届かない
- 鼻咽腔が広くて届かない
- 上記の両方
鼻咽腔が閉じているかいないかは、鼻息鏡、レントゲン、ファイバーなどで検索していきます。
口蓋裂術後鼻咽腔ファイバー
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鼻咽腔が閉じていない場合、口蓋裂があるのならまず口蓋裂の手術をすることになります。口蓋裂がなくても鼻咽腔が広くて届かなさそうな場合は、まずプッシュバック法で軟口蓋を後ろにさげることが多いです。そのあと定期的にフォローしながら、軟口蓋の動きが良くなるか、後ろに届くようになっているかを確認していきます。うしろまで届くような潜在能力がありながらあまり動かさず届かないという場合はスピーチエイドなどを使い、一旦届く形にして、
咽頭弁手術
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動きが良くなるよう促していきます。しかしながらスピーチエイドを使用しても動きがよくならず届かない場合、口蓋裂手術をして後ろに軟口蓋が近寄っているにもかかわらず届いていない場合、鼻咽腔を狭くする手術が必要になります。
鼻咽腔を狭くする手術も大きく分けて3種類あります。
- もう一度プッシュバックする
- 咽頭弁手術
- 咽頭後壁に組織移植
咽頭弁形成術術後
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(2)の咽頭弁手術は軟口蓋と咽頭後壁のあいだに橋渡しを行い鼻咽腔を狭くする手術。軟口蓋の動きの悪い場合に行うことが多い。
(3)は軟口蓋の動きは良好だが後ろに届かない場合に、軟口蓋の動きを妨げずに咽頭後壁を出っ張らせて鼻咽腔を狭くする手術。
手術前後にはファイバーや、レントゲン、CTにて状況を判断していきます。また構音は正しく隙間が空いて漏れているだけ、という場合は手術をするとその日から発音が良くなります。しかし多くの場合は手術後も構音訓練をしていくことになります。
咽頭弁手術は咽頭側壁が動いてくれないと閉鎖が望めないため、多くの場合スピーチエイドを使い側壁が動くよう訓練をしてからの手術となります。
咽頭後壁肋軟骨移植
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鼻咽腔閉鎖不全があると、手術は形成外科の担当になりますが、その前後でスピーチエイドを作り調節する口腔外科の先生や構音訓練をする言語の先生との密な連携が必要となります。
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