口唇口蓋児は裂があることで歯の生える位置、歯並びが乱れます。歯の数や歯の形なども異なることがあります。そのため口の中は歯磨きが難しく不潔で虫歯の出来やすい状態になります。
個人差はありますが生後6カ月頃から乳歯が生え始めます。生え始めから歯ブラシを使う必要はありません。
手術などで口の中が敏感になり触られるのを嫌がるお子さんもいるのでまずは綿棒もしくは指にガーゼを巻き拭う程度から始めましょう。
離乳食が始まり歯の生える数が増えてきたら歯ブラシを使っていきましょう!!
◇歯磨きのポイント
- 歯ブラシはお口の大きさに合った小さめのものを使いましょう。
(裂に生えた磨きにくい歯は筆状の小さいブラシを使用すると磨きやすいです)
- 歯磨き粉は基本的には必要ありません。使用するならフッ素入りのものを使いましょう!!
(泡状で使用後うがいの必要のないものもあり乳児から使用可能です)
- 歯を磨く姿勢は両足を伸ばし股の間に仰向けになった子供挟み込むと磨きやすいでしょう。
(歯磨きを嫌がる場合は子供の腕を足で押えて顎を挟み込むと安定します)
- 歯磨きの際に声掛けや数を数えながら行うと良いでしょう。
注意:歯磨きの際に口蓋床・スピーチエイドは外して下さい。外した口蓋床・スピーチエイドもブラシを使いこすり洗いをして清潔に保ちましょう。その時落して流さないように気をつけましょう。 |
☆歯磨きを行うのは難しいことが多いので1日1回(できれば寝る前がベストです。)だけでもできると良いと思います。
1歳を過ぎる頃にはどんどん歯が生えてきます。できればその頃からフッ素塗布を始めましょう。(フッ素を塗ることによって虫歯になりにくい強い歯になります。)
フッ素塗布は歯科医院で行うのが一般的ですが家庭で出来るスプレータイプや洗口タイプも市販されているので使用することも可能です。(かかりつけの歯科医院に相談しても良いでしょう。)
3歳頃に乳歯が生えそろいますが歯の生え方には個人差がありますので多少の遅れは問題ないでしょう。その頃からスピーチエイドが必要になるお子さんがいます。スピーチエイドをつけるとお口の中に汚れが溜まりやすく不潔になりますので歯磨きがとても重要になります。
自我が芽生え歯磨きを一人で行うことを好む場合がありますが、上手く磨くことは難しいので保護者による仕上げ磨きの習慣が大切になります。
矯正歯科に通い始める時期には個人差がありますが、矯正治療は虫歯があるとうまくいきにくくなりますので、小さい頃からの歯磨きや間食の摂り方が重要になります。お菓子を食べた後やジュースを飲んだ後には、お茶や水を飲んだり、うがいをするなど、できることから心がけていきましょう。
口唇口蓋裂の治療ではお口の中を清潔に保つことがとても重要になります。歯の生え換わりなど成長と共にお口の中も変化していきますのでかかりつけの歯科医院で定期的な検診を受ける習慣をつけましょう。
わからないことや難しいことがあれば歯科医師や歯科衛生士に相談してください。保護者の方の強い味方になります。 |