口唇口蓋裂児を持つ保護者の方は、授乳の際乳首をいろいろと試された方も多いと思います。
口唇口蓋裂用の乳首は、現在何種類か市販されています。（医療機関のみで購入できるものもあるようですが、ほとんどの場合インターネットで購入が可能です。）使用できるかどうかについてはかなり個人差がありますので、使用の際にはかかりつけの医療機関などにご相談下さい。
　
口蓋床（ホッツ床とも呼ばれています）を装着した場合、口唇口蓋裂用の乳首を使用しなくても通常の乳首を使用することが可能な場合もあります。
　
また哺乳する力がついてくると、口唇口蓋裂用の乳首では簡単に哺乳できるようになってきます。保護者の方、赤ちゃんにとっては口唇口蓋裂児用の乳首で授乳する方が楽かもしれませんが、顎の誘導や口腔機能の向上のためには通常の乳首での哺乳をお勧めします。
哺乳時間の目安は１５分くらいです。
　
飲むことは食べることや話すことの基本です。
焦らずお子さんに合った乳首を選択してください。

メデラ社のスペシャルニーズフィダー（旧：ハーバーマン）

スペシャルニーズフィダーの乳首は口蓋床の装着前後で使用可能です。
スペシャルニーズフィダーの乳首は実際の乳首の形と硬さに近いように作られています。ミルクの流量が３段階ありミルクの出る量が調整出来るのが特徴です。
乳頭の細くなっている部分にミルクを満たすことによってスムーズな授乳が行えます。
※嚥下障害のあるお子さんには使用不可です。

ピジョン社の口唇・口蓋裂児用哺乳器セット（旧：P型哺乳器）

哺哺乳瓶と乳首２種類（レギュラーサイズ・スモールサイズ）のセットです。
スモールサイズは低体重児のほか口蓋床装着後や通常乳首への移行期に使用するためのものですが、口蓋床装着後はできれば通常の乳首を使用することをお勧めします。
この乳首にはゴムの厚い側と薄い側があります。授乳の際には厚い側が上あごに密着し、薄い側を舌で押すとミルクが出るように作られています。
乳頭部分が大きく、乳首の穴がＹ字の様になっているのが特徴です。

ジェクス社ののチュチュベビーメディカルタイプ

チュチュベビーの乳首は口蓋床の装着前後で使用が可能です。
チュチュベビーの乳首は、上下に平たい部分があります。平たい部分はゴムが厚く左右の側面はゴムが薄く作られているためほ乳の弱い児でも飲みやすくなっています。
乳頭部分は丸く乳首の穴がＸの字の様になっているのが特徴です。
ピジョン社のＰ型のボトルに付けることも可能ですが慣れてくればガラス瓶もしくは硬いプラスチックのものの使用をお勧めします。

コンビ社のテテオ口唇口蓋裂児用哺乳びんママの手

哺乳瓶と乳首２つ（SSサイズとSサイズ）のセットです。
口蓋床を装着した状態での使用が可能です。
Sサイズ、SSサイズ共に乳孔が３つあり、飲む力の弱いお子さん用に作られたもの
で トレーニング用になっています。
哺乳する力がついてきたら通常の乳首を使用することをお勧めします。

ダットウェイ社のNUK(ヌーク）口蓋裂用乳首（旧：コンビ社のヌーク乳首）

NUK（ヌーク）の乳首は、口蓋床を装着しない場合に使用します。
口蓋床を装着した場合は通常使用する乳首を使用します。
乳頭部分に乳首の穴が開いていないので児の状態によって太め針を熱し先端に穴を開けます。
NUKのスタンダードタイプの瓶に装着して使用します。