No.99への返信

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粘膜下口蓋裂

粘膜下口蓋裂で検索して、こちらにたどりつきました。
相談にのっていただけたらと思います。
10歳ダウン症 先日歯科に行ったところ「特徴的な話し方をしている」と大学病院での検査を薦められて、行ったところ「粘膜下口蓋裂」と診断されました。
 かなり不明瞭な発音ではありましたが、そんな病気の可能性があるとは言われる事もなくきました。
 小さいときから、STも受け、かかりつけの耳鼻科、歯科、小児科、療育センターでも指摘されたことは無く、私もダウン症だからと不明瞭な話言葉だと思い、家庭では懸命に言語訓練をしてきましたが、一向に改善されませんでした。
 母乳で育ち、中耳炎などになることもありませんでした。
そんな病気があった事に気づいてやれなかった事を悔いています。
 粘膜下口蓋裂の程度としては、見た目では全くわからなく、程度としても軽いもの(知的障がいがあり、詳しい検査が受けられなく、レントゲン検査のみ)でしたが、大学病院の言語テストでは「い・う列」の音が鼻に空気がもれて、発音できない状態でした。
 3か月言語訓練をして改善が見られなければ手術も検討するとの事でした。
 今のところ訓練(家庭と療育センター)でも改善の兆候もなく1か月半経過)落ち込んでいます。
 質問は、通常小さい時に手術を受けると思うのですが、10歳で受けて発音が改善されるのでしょうか?
 手術を受けてのデメリットは何でしょうか?

 大学病院は遠方(車で6時間)で、ゆっくり相談する事もできず不安でしかたありません。
 よろしくお願いします。

[99] 涼子 (2010/09/30 Thu 23:17) mail


Re: 粘膜下口蓋裂

粘膜下口蓋裂という病名は若干あいまいで、典型例は軟口蓋真ん中部分が縦に薄くなり、のどちんこが二股に分かれています。過去にそれが気づかれていない場合は先天性鼻咽腔閉鎖不全の病名が適しているかもしれません。ただしそのような場合も部分的に筋肉の走行異常があるかもしれない、などの理由で粘膜下口蓋裂の病名がつくことがあります。
 すべての発音で鼻漏れしているのであれば手術なり、エイドを装着しての練習がいると思われますが、アー、エーなど閉じている発音があるなら、練習して効果があるかどうか確認するのは順当なことだと思われますし、3ヶ月と目途をつけて、あまり進展しないなら手術などのほかのことを考慮するというのも適切な考えと思われます。
 ダウン症の子供さんの場合、知能的な問題で訓練がゆっくりしか進まないのはある程度仕方の無いことですが、ぎりぎり閉じるか閉じないかで練習するより、しっかり閉じる環境を作って練習した方が急がばまわれで早道かもしれません。
 口腔内の状況をみないと何ともいえませんが、軟口蓋がしっかり動いているのにもれているのであれば物理的うしろまで届いていないので早めに手術しましょう、という話になるかもしれません。
 軟口蓋の動きが悪くてもれるのであればリフティングエイドを装着して軟口蓋を持ち上げての訓練になるかもしれません。
 質問の答えといたしまして
 構音を正常に近づけるためのステップアップとして手術が必要となれば年齢はあまり関係ありません。
 手術のメリット、デメリットは難しい話で、手術の中身によっても違ってきますので、手術を受けると決まったときにその先生に聞くのがよいでしょう。

[100] 形成外科 木村得尚 (2010/10/01 Fri 10:26)


Re: 粘膜下口蓋裂

お子様の「い・う列」の発音の問題は、おそらく「鼻咽腔構音」であると拝察致します。この場合、「い・う列」のどの音が「鼻咽腔構音」になっているのかによって経過が異なります。母音「い・う」とすべての「い・う列」の子音(つまり「き・し・ち・に・・・、く・す・つ・ぬ・・・」)であるのか、「い・う列」の子音だけなのか、あるいはそれ以外なのかによって訓練に必要な期間は違ってきます。それからお子様の年齢や精神発達の程度、そしてさらに重要な要因として鼻咽腔閉鎖機能の状態も大きく関与します。
鼻咽腔閉鎖機能が良好な場合、早ければ2〜3ヶ月で治ることもありますが、経験的にはもう少しかかることが多いと思われます。私が経験した、母音を含めた「い・う列」すべてが鼻咽腔構音の5歳児さんの場合、月3回のSTで10ヶ月かかりました。一般に、年齢が高くなるに従って、ST期間は長くなる傾向がありますので、お子様の場合にはさらにもう少し時間が必要と思います。鼻咽腔構音は、人によって経過は様々ですが、治せる発音ですので、適切なSTを根気強く受けられることをおすすめします。
ダウン症で舌が大きい場合、口腔側の空気の流れが閉鎖されやすく、逆に鼻に空気が流れやすくなります。これが鼻咽腔構音や呼気の鼻漏れを助長している場合も少なくありません。年単位の時間が必要かもしれませんが、子どもさんの発音が少しずつ明瞭になっていくプロセスを大切にしてあげてください。

[101] 木戸直博 (2010/10/01 Fri 11:50)


Re^3: 粘膜下口蓋裂

まずは正確に鼻咽腔閉鎖機能を評価することが重要です。
内視検査は難しいと思われますので、再度レントゲン検査をすることになると思います。
その際、発話している時の画像を撮る必要があります。予め検査時に言う言葉をきいておいて、練習をしておかれるといいです。一般には「あー」「いー」「しー」、blowing(「ふー」と吹く)などが用いられますが、「いー」「しー」は鼻咽腔構音になっているので難しいと思われますので、「あー」、blowingが3秒前後できるといいですね。
手術が必要なら受けられ、その後、じっくりとSTに取り組んでください。

言語聴覚士 木戸直博

[103] 木戸直博 (2010/10/01 Fri 12:53)


Re^4: 粘膜下口蓋裂

返信ありがとうございます。
 発音は「い・う・い列・う列」発音が不明瞭(すべて「ん」に聞こえる)です。「あ・え・お」は発音できます。
 エイド装着は無理のようです。(絆創膏一つ貼るのも嫌がります)
 口の中の様子は、高口蓋(?)というのでしょうか?上あごの窪みが大きいです。
 口蓋垂はひとつです。
 病院での検査は、レントゲンで「い・う」の発音をしながら撮った気がします。
 今まで乳歯6本全て抜歯したので(抜けずに永久歯が生えてきたので)歯科に恐怖心があり、検査もなかなかできません。
(小さい時から、歯科に慣らすために1か月に1度近所の歯科での検診を受けさせていて、そこでは大丈夫ですが、他の歯科は何かされるとわかっているらしく、抵抗しまくります。)
 
 自宅での訓練は、
●鼻をつまんで、ストローで水をブクブクする。20数える
(今は10位しかできません)
●鼻をつまんで、口の前にティシュの切れ端を持ってきて、「ぱぴぷぺぽ・ばびぶべぼ」の発音をさせる。
(今は「ぴぷ・びぶ」で「ん」になっていたのをティッシュを動かせるよう意識させています)
●舌圧子(板)を唇に挟む(1分半位できる)

 大学病院では、私の居住の地域ではお任せできるSTの方がいないので、(技術的な事なのか、良く知っているSTさんがいないのか・・・?)
 次回の検査での改善具合によって、手術か数時間かけてSTに通うかになりそうです。
 先生方のお話を聞いてとても参考になりました。もう少し、自宅での訓練を頑張ってみようと思いました。
 ありがとうございます。
 
 専門的な事を相談できて、とても助かりました。
このHPに感謝です。

[107] 涼子 (2010/10/07 Thu 08:57) mail