Re: 口蓋裂、手術後の通院頻度と時間について。

口蓋裂言語の基本は本人が自力で言葉を獲得していくのを見守ることになります。2才で上手にしゃべれないからといって、即訓練ということにはなりません。3才でサ行がうまくいえなくても通常は様子を見ます。
 口の中に術後穴が残存したり、明らかに後ろまで届いていないときなどは口蓋床やスピーチエイドを作ることがありますが、そういう状況でなければ言葉の獲得状況をみながら、必要であれば構音訓練をしていくことになります。チェックのみで一切構音訓練することなく終了する子どもさんも結構おられます。
 具体的には1才2ヶ月で手術したとして、通院は
  口蓋裂術後10日目(形成)1ヶ月後(形成 言語)
    2ヶ月後(形成) 術後半年(形成)2才(形成 言語)
  ほとんどすべてのタイプの口蓋裂で上記のようになりますが
この後は口蓋裂術後の口腔内の状況で受診の頻度は変わってきます。
 ただ2才、3才のあいだは数ヶ月に1回程度の受診で形成、言語を一緒に診察しています。3才後半ぐらいから頻度をつめて構音を診る子どもさんがでてきますが頻度的には1割弱です。
 口蓋裂単独の場合、多くの子どもさんは術後の言語の診察は合計で十回未満です。ただ筋肉の動きが予想に反してよくなかったり、軟口蓋と咽頭後壁との距離が意外と広かったりすると、順調な構音獲得にいたらず受診回数が増えたりします。しかしこれは術前にはよくわかりません。また毎月構音訓練する場合、ほとんどは5才以降です。
 唇顎口蓋裂の症例ではときに口腔内の形が複雑で口蓋裂術後に穴が残ったりして、構音するのに適した口腔内環境が出来ないことがあります。そういう子どもさんはどうしても受診頻度が多くなります。
 一般的に月に複数回受診してもらうことは形成、言語ではほとんどありません。あるとすれば口腔外科でスピーチエイドを作ったりした場合、その調節や粘膜の傷などのチェックをするときぐらいでしょうか。
 遠方の方の場合、構音訓練のいる方は近所にそういう施設があればそちらに紹介させてもらっていることもあります。
 参考になりましたでしょうか
              形成外科 木村得尚

[97] 木村得尚 (2010/08/29 Sun 18:27)

[96] 口蓋裂、手術後の通院頻度と時間について。 あつキング 2010/08/26 Thu 17:01reply
┗[97] Re: 口蓋裂、手術後の通院頻度と時間について。 木村得尚 2010/08/29 Sun 18:27
┗[98] Re^2: 口蓋裂、手術後の。。。 あつキング 2010/09/11 Sat 16:21