Re: 鼻腔レティナについて

メッセージありがとうございます。
 レティナ使用の目的は鼻の形状の矯正ですが既製品であるため万能ではありません。我々の施設の場合、唇裂患者さんに用いるのは5年に一人ぐらいなので、直接治療を受けている患者さんのほとんどはレティナというものがどういうものかご存じないと思います。

 唇裂の子供さんは鼻の形状が非対称で裂側の小鼻の軟骨は外側に流れた平らな感じになっています。
 軟骨は生後早期は形を色々と変えることができます。PNAM型口蓋床は生後早期から前についたボンボリで鼻を押し上げ手術前に軟骨の形状を矯正しようという試みです。
 レティナも手術後に形を健側にできるだけ近いものに持って行こうという試みの中で使用されます。
 ただし月齢が大きくなると軟骨の形状は記憶されますのでレティナによる矯正は効果が出ません。

 術前の平らだった鼻を手術で丸くする場合、内周側の軟骨と外周側の表面皮膚とは少しずつずれていった方がすんなり丸くなります。そのため術前変形が強い場合、軟骨と皮膚の間を当科でははがしていますし、いくつかの施設で同様のことが行われています。その際にレティナを使うと比較的鼻の形状を矯正しやすくなります。
軟骨周囲をはがさずにレティナを用いると当然後戻りしようという力が働きますし、最初いびつなかたちをしているためレティナがフィットしません。
 後半に続く

[170] 形成外科 木村得尚 (2012/02/08 Wed 10:30)

[169] 鼻腔レティナについて りん 2012/02/07 Tue 15:50reply
┗[170] Re: 鼻腔レティナについて 形成外科 木村得尚 2012/02/08 Wed 10:30
┗[171] Re^2: 鼻腔レティナについて 形成外科 木村得尚 2012/02/08 Wed 11:28
┗[172] Re^3: 鼻腔レティナについて りん 2012/02/08 Wed 16:44
┗[173] Re^4: 鼻腔レティナについて けいせい 2012/02/11 Sat 08:04
┗[174] Re^5: 鼻腔レティナについて りん 2012/02/14 Tue 00:45